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過去の研究情報

第11期教育課程開発研究及び2019年研究について

1 研究主題
自分をつくり未来を拓く子どもが育つ学校

2 研究主題設定の意図
  生活の中にインターネット利用が浸透し、大量に蓄積されるデジタルデータの活用で進歩するAI技術がひろく人々の暮らしに入り込む社会の状況が進む。そのような社会の変化の中で、これまで人間が行ってきたことをAI技術が代替することによって、合理性や効率性が高まり、人々の時間的、空間的な制約が軽減される新たな生活が創出される。新たな生産や流通、消費の形態や、通貨の仕組みが構築されたり、人と人とのつながり方に新たな様式が生まれたりすることが考えられる。
  合理性や効率性が高まり、人々の時間的、空間的な制約が軽減される生活によって、アイデア次第で新しい希望をつくり出すことができる、可能性の時代が到来するだろう。また、人間が人間らしく生きるという意味や、人間とAI技術とのかかわりの在り方など、人々に価値観の変化を起こすだろう。
  このように、AI技術との融合によって新たな生活が創出される社会では、これまで以上に、一人一人が自分の生き方を見つめる重要性が高まる。そして、社会の変化を自分事として引き受け、起きていることを注意深く捉え、思慮深く判断し、未来の社会像を描きながら新しい考え方をつくり出す姿が求められる。そこで、第11期教育課程開発研究では、以下に挙げるような、体験しながら自分をつくる子ども、思考、判断しながら自分をつくる子ども、他者と共に生きながら自分をつくる子どもに着眼しながら、教育活動の内実を見つめ、自分をつくり未来を拓く子どもが育つ学校づくりに取り組む。

○体験しながら自分をつくる子どもに着眼する
  子どもは、全身で動物や場、仲間とかかわったり、自らの手でつくり出したものを媒介に地域の人とつながったり、学校にいても離れた場所の人や生き物を思ったりしながら、自分をつくっている。このような、手にしたものや出会った人、自分の行為から、驚きや喜びとともに知的好奇心がはたらきながら活動し続ける子どもの姿を見つめる。
○思考、判断しながら自分をつくる子どもに着眼する
  子どもは、思考、判断を繰り返しながら活動している。それは、自分の体験を振り返り、価値観や規範意識をつくり変えながら、総体としてある自己を捉える姿である。このような、体験を基にした思考を重ねたり、直観的に判断したりしながら、物事の全体を捉える大局観をつくり、多様な曖昧さや矛盾、対立を内包しながら活動し続ける子どもの姿を見つめる。
○他者と共に生きながら自分をつくる子どもに着眼する
  子どもは、様々な集団を生きながら、差異を捉え、自分を見つめたり、新たに自分をつくり変えたりしている。それは、多様な他者と集団を生きながら、様々な視点から複眼的に自己の捉えをひろげようとする姿である。また、他者との多様性を包括するような物の見方をつくる姿である。このような、他者との出会いから、価値観や規範意識を見つめ直したり、共同し、幅広い視野で物事を捉えたり、大局的な判断をつくったりしながら活動し続ける子どもの姿を見つめる。

3 2019年研究の内容
(1) 自分をつくり未来を拓く子どもの姿を具体的にすること
(2) 創造活動と集団活動を主としながら4つの教育活動の在り方を問い直すこと
(3) 研究推進の在り方を問い直すこと

(1) 自分をつくり未来を拓く子どもの姿を具体的にすることについて
  生き生きと活動する子どもを、自分をつくり未来を拓く子どもの姿を視点に見つめ直し、職研メンバーが出あった子どもの姿を集積し共有する。このことは、教育活動において、子どもが、どのように行為したり、思考、判断したり、他者と共同したりしながら具現しているのかを捉える視点をもつことにつながるだろう。これらのことを視野に置いて自分をつくり未来を拓く子どもの姿を具体的にしていく。
(2) 4つの教育活動の在り方を問い直しについて
  2018年研究で課題として言及された、4つの教育活動の問い直しの視点をもちながら、教育活動の内実を見つめ直し、活動づくりの更新を図る。具体的には、(1)のような子どもの姿が、どのような教育活動づくりにおいて具現しているのかということを捉えながら、自分をつくり未来を拓く子どもの姿を具現する教育活動の内実について検討をひろげる。
(3) 研究推進の在り方の問い直しについて
  職研の充実を図り、研究スケジュールを更新し続けたり、会議にかかわる時間の縮減を考慮したりする。そのため、メンバー一人一人が、提案者として活発に研究を推進することを目指す。そして、共同的に活動公開、アサーティブトーク、レポート、学習会を行い、それらが関連し合いながら研究の成果を積み上げていくことに取り組む。

4 2019年研究の方法
(1) 子どもの姿で提案し合い、共有した子どもの姿から教育活動を見つめる活動公開
(2) 子どもの姿を基に語り合い、教育活動の見方・考え方をひろげるアサーティブトーク
(3) 子どもの姿やメンバー相互の交流、書籍を基に思考したことを執筆し合うレポート
(4) 子どもや教育活動づくりの見方・考え方をひろげる学習会

(1) 活動公開について
・活動を公開し合い、共有した子どもの姿から、教育活動の問い直しの視点を浮き上がらせたり、子どもを捉える見方・考え方をひろげたり、活動構想の在り方を更新したりすることを通して研究を推進する。
(2) アサーティブトークについて
・研究を推進する上で想定されるテーマや、新たに浮かび上がる検討事項について、子どもの姿を基に、メンバーがそれぞれの視座から思考したことを述べたり、意見や主張したりすることを通して研究を推進する。
(3) レポートについて
・研究を推進する上で想定されるテーマや、新たに浮かび上がる検討事項について、子どもの姿を基に、メンバーがそれぞれの視座から思考したこと執筆することを通して研究を推進する。
(4) 学習会について
・研究を推進する上で想定されるテーマや、新たに浮かび上がる検討事項について、当校同人や専門的な見地から示唆いただける方を講師として招き、講話していただくことを通して、子どもや教育活動づくりの見方・考え方をひろげながら研究を推進する。