売り物よりも体験することを増やしますか?
6年生に手づくりマーケットのお店を開くと、売り物よりも体験することの方を選ぶお客さんがたくさんいました。
例えば、いっぱいねんどやは、20人のお客さんが来て、全員が体験を選びました。そして、色を塗る体験用の粘土が42個も売れました。
また、キラキラしゃしんたてやも、体験用の写真立てを6個用意していましたが、すぐにお客さんでいっぱいになって体験用が売り切れました。
6年生のオープンの振り返りでは、つくった物が売れ残ったことや、体験する人の方が多かったことが話題となりました。
ある子どもは、「フードプラバンやに来た人は全員が体験をしてくれた。買うよりも体験の方が多くて意外だった」と話しました。
そこで、「売り物よりも体験することを増やしますか」と問いかけ、つくった物を売ることや、お客さんに体験してもらうことについて考えていきました。
子どもは、次のように話をしました。
「売り上げだけを考えるなら、体験できることを増やした方がいい。」
「体験を増やした方がお客さんがいっぱい来ると思う。」
「体験してもらうことで楽しんでもらえると思う。でも、手づくりのものを売ることと、売り物を見て体験してもらうことの両方があることがいいと思う。」
「これまでかかわったつくり手の人も、売り物と体験の両方があって、どちらも大切にしていた。」
「プラバンやつむじの荒川さんがつくったプラバンはすごくきれいで、びっくりした。」
「売り物は自分が手づくりすることだし、体験はお客さんが手づくりすること。手づくりすることには変わりないけど、これは売れそうだとこだわってつくることが大切だと思う。体験だけだと手づくりマーケットとは言えないと思う。」
自分が売り物を手づくりして売ること、お客さんに手づくりを体験してもらうことの両方があることが手づくりマーケットのよさだと話す子どもがいました。
自分が手づくりすることの楽しさや、時間をかけて手づくりしたものが売れる嬉しさがあるからこそ、体験することを増やすことに腑に落ちなさを感じている子どももいました。
子どもは、自分がつくるものにこだわりをもちながら、つくり手と買い手が共に楽しみをひろげていくために、どのような場をつくっていけばよいのか考え続けています。