「心ふれるストーリー」・・・物語「みちくさ」に出あう
子どもは、実践国語科「心ふれるストーリー」の活動で、「みちくさ」(阿部夏丸:作)という物語に出あいました。この物語のあらすじは、次の通りです。
~「みちくさ」のあらすじ~
「ぼく」は塾からの帰り道、新見大介(大ちゃん)が川で何かしているのを見かける。「ぼく」は、低学年の頃は大ちゃんと遊んでいたが、五年生になったころから、だんだん遊ばなくなっていた。それは、大ちゃんが、二年生の頃と同じようにどんぐりや空き缶拾いに夢中なままで、行動のほとんどが「理解不能」、「ようち」と感じたからだった。大ちゃんが「ぼく」の姿を見つけると、予想外なことに、一緒に川で鯉釣りをすることに・・・。最初は気がのらなかった「ぼく」だが、次第に夢中になっていき、鯉を捕まえた後には、いつの間にか大ちゃんに笑い声につられて、一緒に笑っているのだった。
子どもは、教師の音読を聞きながら物語の世界に入り込み、時折、登場人物の大ちゃんの言動に驚いたり、笑ったりしながら物語を読み進めました。
子どもは、物語の感想を「心ふれるストーリー」シートに書き留めました。
子どもは、「心ふれるストーリー」シートに、次のような感想を書いていました。
「初めて『みちくさ』という物語を読みました。読んだら、私はとてもいい物語だと思いました。読んでみて、大介とぼくの気持ちの変化や、2人の関係がよく分かります。タイトルは『みちくさ』で、大介が『みちくさ』をするというのを見たぼくが気付かれ、協力して2人で笑っているのがとてもおもしろかったです。コイがあばれて『バシャッ』と音を立てる時はドキドキしました。まとめて言うと、このストーリーは、ワクワクやハラハラなどのいろんな感情があるのではないかと思います。心ふれるストーリーは、いろんな気持ちになると、心がゆさぶられる感じ(心がうごく感じ)になることだと思いました。あと、気持ちの動きは、大介・・・①わくわく②うれしい、ぼく・・・①ふしぎ②わくわく③ハラハラ④ドキハラ⑤うれしい、な感じかな」
「大介は、最初、他の子とはちがう遊びやことをしていたりして、みんなから仲間はずれにされていたけれど、本当は、とてもいいヤツで、大介の意見?を信じた健ちゃんもいいヤツだと思って、最後の達成感や、2人の協力性、2人の気持ちがまさに心ふれるストーリーでした。8ページ目の『すごいよ・・・』からのかけ引きがすごい仲よくなった気がするし、低学年のころの友情がもどった気がします」
「友だちの健ちゃんは、最初、『うっとうしい奴』や『気に食わない奴』?と思っていて(大ちゃんを)、でも、色々な出来事が起きるたびに、大ちゃんに対する気持ちが少しずつ変わってきてる様子がとらえられます。例で考えると、最初は、大ちゃんに見つかりたくない気もちが書いてありますが、最後では、『ぼくの体ははんしゃてきに動いていた』と書いてあり、大ちゃんの気持ちに寄りそう気持ちが表れている所がいくつかのっています。その中で『すごいはすごいが、すなおに喜べなかった』の所で、大ちゃんに対して何か特別な気持ちをいだいていると思います。ゆえに似ている分があります。『大介と遊んでいる所を見られたら、みんなに何と言われるか・・・』という健ちゃん(ぼく)の思いは、大ちゃんをさけているようにも思えます。でも、ぼく(健ちゃん)は、『自分の思いなど、届いていないようだった』と書いてあり、『大介をいやだな』と思っているかのような場面もありました。ただ、大ちゃんに何か言われると、すぐにやってしまう健ちゃんに対して、大ちゃんは、まだ友達と思っている部分もあるかと思います。また、『大介の声を聞くたびに心が落ち着く』という文では、だんだん親友の心にもどっている部分があります」