「幾何学パターン」と出あって
実践算数科の活動は、「幾何学パターン」です。6月30日(月)、子どもは三角形を使った鱗模様、正方形が規則的に並んでいる市松模様を見ることで、「幾何学パターン」と出あいました。初め聞き慣れない「幾何学」という言葉に戸惑う様子もありましたが、これらの模様を見ると「あぁ、見たことある」「市松模様は鬼滅の刃でも使われているよね」と、自分の経験に引きつけて身近な幾何学模様について話す姿がありました。実際に模様をつくってみたいという思いから、方眼紙に模様をつくり始めました。思い思いに模様を描いていく中で「鱗とか市松柄は1つの図形だからすぐにできた」と話し、簡単に模様をつくることができる楽しさを感じていました。
7月1日(火)、前時につくった模様をお互いに見せ合い、どのような模様がうまれたのかを話しました。「昨日つくった市松模様もシンプルできれいだと思ったけれど、友だちの模様もすごくきれいだった」と話す子がいました。「どんなところがきれいに見えたの?」と教師が尋ねると、「左右で色が違うんだけど、同じ模様だったから」とさらに話しました。仲間の言葉を基にして模様をつくりかえ、上下左右の色を変えてつくった模様を眺めることで、その美しさを感じていました。美しく見える幾何学模様には、対称性というパターンがあることが見えてきました。
7月3日(木)、模様をつくり続ける中で、仲間の模様の中に平面上にもかかわらず立体的に見える模様を見つけました。その模様を教室の画面に映すと「すごい、目の錯覚になっている」、「どうやったら立体的になるんだろう」と話していました。立体的に見える模様を思考しながらつくり続ける中で、立体的な模様をつくるためのパターンを探しました。しかし、この時間内にはパターンを見つけることはできませんでした。子どもは、ノートに次のように振り返りました。
「今日の幾何学パターンで、私は友だちの立体が段々になっている模様を見て、すごいと思いました。私も描こうとしましたが、難しくて描けませんでした。でも、模様をつくるのは、楽しかったです。次に幾何学パターンをするときには、立体の形を描きたいです。」
7月4日(金)、「立体的な模様をつくるためのパターンはありますか」と教師が問いました。すると、ある子が「これがパターンかは分からないけれど、平行四辺形を描いてそれを線対称に写して、その上にひし形をかくと立方体ができました」と話しました。この言葉から、他の子は、平行四辺形とひし形を使えば立体をつくることができると感じ、模様をつくりかえていきました。すると、簡単に立体的な模様がつくれたことから、線対称な平行四辺形とひし形を使うことが、立体的な模様をつくるためのパターンであると感じました。立体的な模様をつくることができた子どもは、他にも、どのような立体が描けるのかをつくりながら思考する姿がありました。子どもは、次のように活動を振り返りました。
「今日の幾何学パターンは、友だちが言ったことを真似をして階段模様をつくってみました。最初は立体を描くことは難しいと思ったけれど、今日は簡単にスムーズに立体を描くことができました。これからは、立体をたくさん描いていって、星の立体もつくってみたいです。」
「今までの幾何学パターンではいなかったけれど、今日は友だちがつくった立体的な模様をつくってみました。すぐにつくることができて驚きました。他にもどんなパターンがあるのかを見つけたいです。」
新たなパターンを見つけたいという思いを湧き上がらせている子どもがいました。模様をつくる中でどのような幾何学パターンがあるのかを考えていきます。