詩人のまど 「とすん どすん」という詩を読んで詩をつくったよ
子どもは、川崎洋の「とすん どすん」という詩に出あいました。
この詩は、1つの連の中に、2つのオノマトペが組み合わせて使われている詩です。(*詩は、川崎洋『だだずんじゃん』、2001年、(株)いそっぷ社 所収)
例えば、次のような連が出てきます。
サルも木から落ちる とすん
ゴリラなら どすん
コアラそろそろ移動する
見物人ぞろぞろ移動する
タイヤがはじく石がばらばら谷底へ
せまい山道で車はカーブのたびにはらはら
子どもは、この詩を読んで、「点があることばと、ないことばが出てくる」「にていることばだけど、点がつくと、意味が変わってる」などと話しました。また、オノマトペを使った面白い詩をつくってみたいという思いや願いをもち始めました。
さらに、子どもは、仲間がつくった連を読みました。それは、次のような連です。
野菜をばらばら切る
ほうちょうで手を切りそうではらはらする
この連を読んで子どもは、「何かつながっている」「野菜とか、全部、台所で起きる」「話が、ちょっとした物語」「〇〇ちゃんが言ったように、つながっているから物語」と話しました。
その後、子どもはオノマトペを使った面白い詩をつくろうと、校内を歩き、水道の蛇口をひねったり、地面を足でこすったりしながら、オノマトペをノートに書いていきました。
教室に戻ると、思い思いに詩をつくっていきました。つくった詩を仲間に聞かせたくなり、仲間の前で発表する子どももいました。そして、仲間の詩を楽しむ姿もありました。
子どもは、次のような詩をつくっていました。
活動後、子どもは、作文シートに次のように書いていました。
「詩人さんの詩を読んで思ったことは、よくこんな詩をつくれるなーと思いました。私は、さいしょかんたんだと思ったけれど、つくってみたら、オノマトペを言葉にするのがむずかしかったり、一連ごとに話をつなげて、小さい物語にすることも、むずかしかったです。なので、詩を甘く見ることをやめたいと思います。思っているよりもむずかしすぎて、あまりにもびっくりしてしまいました。私の詩をつくることにくふうしたことは、まず、だい名をきめて、だい名に合うような物語をつくることです。連の中が物語になるように、時間のじゅん番になるように書きました。たとえば、だい一連は、『コップまんぱんに入る水をのむスー からっぽになったズー まだのみたいっ』みたいに、時間を変えて書きました。時間のじゅん番に書くと、小さな物語になります」