じゃましないでっていってるんじゃない
前日にメロンが久しぶりに怒っていたことを受けて、教師は「最近のミケやメロンはどんな感じ?」と子どもに尋ねました。
子どもは、「ミケはよく怒っている」「2学期になってからあんまり怒っていないよ」「メロンも怒っている」と話しました。教師が、「どんな姿が怒っていると感じるの?」と尋ねると、子どもは「ミケは突進したり、噛んだりしてくる」「耳が後ろになっているよ」「メロンは後ろ蹴りしてくる」「メロンも耳が後ろになる」などと話しました。それを聞いた教師は、「ミケやメロンは何を伝えたいんだろう」と尋ねました。すると、子どもは「もっとご飯食べたいよって言ってると思う」「ミケは邪魔するなって言ってるんじゃない」「メロンはしょうがなく走ってる。本当は走りたくない」などと話しました。
外へ出るとミケやメロンのリードを付けて、お散歩を始めました。ミケの近くにいた子どもは、家から持ってきた野菜や果物をミケにあげ始めました。この日は雨だったため、教室からタオルを持ってきてミケやメロンの背中に掛ける子どももいました。ミケのリードを持つ子どもは、リードを無理に引っ張ろうとせず、「ミケ行くよ」と声を掛けながら、ミケが自分から歩き始めるのを待ちました。周りでご飯を見せて歩かせようとする子どももいました。
グラウンドへやって来ると、ミケはクローバーのところに向かって歩きました。ミケが遊具の周りでクローバーを食べ始めると、首を振りリードを振りほどきました。子どもは、ミケのリードを持とうとしますが、ミケが首を振ってきて持てません。ミケの斜め後ろから近づいてリードを持とうとする子どもは、足音を立てないようにゆっくりとミケに近づきました。それでも、ミケは突進してきてリードを持たせてくれません。周りがにぎやかに感じた子どもは、「ミケを落ち着かせよう」と仲間に話していました。クローバーを手に取りミケに見せる子どももなかなかミケに近づけないで困っていました。
この日、ミケは結局最後までリードを持たせてくれませんでした。
教室に戻り、今日のたったかまきばについて子どもは、「ミケが今日も怒った」「リードを何度も持とうとすればどんどん怒る」「落ち着かせないと持てない」「ミケも怖いと感じたんじゃない」などと話しました。
この日の作文シートには、次のようなことが書かれていました。
「きょう、たったかまきばで、ミケとメロンのようすはどっちもさいしょはおこっていなかったけどさいごらへんはおこっていたよ。ミケはさわらせてくれなかったよ。グラウンドにいって10ぷんぐらいたったらミケがきゅうにおこっちゃったよ。メロンは、よろこびながら、いっしょにはしったよ。リードはもたなかったよ。ミケもいっぱいクローバーをたべていたし、メロンもクローバーをいっぱいたべていたよ。さいしょらへんのあめをあびてさむそうだったよ。ミケはものすごいおこっていて○○くんがもったらとっしんしようとしてくるし、ぼくがもったら、かもうとしてくるし、とっしんしようとしてくるし、おおばこをあげようとしてもたべにこないしたいへんだったよ。おいかけてきたりもしてきたよ。もつのがたいへんだったよ。(中略)ミケとメロンは、おなかすいていて、ごはんがほしいよーといってるようにかんじたよ。ミケはクローバーをたべているとちゅうだったから、そのときにひっぱられたり、がさがさしたり、うるさくてがまんできないぐらいいやだったんだなーってかんじました。つよくおこられるのがいやだのかなってかんじました。」