えんじてつくって「ふたりはともだち」
子どもは、アーノルド・ローベル作の「がまくんとかえるくん」シリーズと出あいました。そして、シリーズの中の1冊『ふたりはともだち』に収められた「お手紙」を語り聞きました。子どもは、「自分でお手紙の中身を言うなんてネタバレだ」と話し、お手紙をもらった時、それを開いたり読んだりするときが一番楽しみであることを思い出していました。また、「なんでかたつむりくんに渡すんだよ」「足がおそいとわかっていて渡したのかな」とお話の面白さを話しました。
子どもは、仲間とチームをつくり、役を決めたり、脚本を書いたりし始めました。また、「もう稽古できる」と言い、仲間と演技を始めました。
稽古が進むと、「早く発表したい」と話し、発表することになりました。4つのチームが演じると、がまくんとかえるくんがお手紙が届くのを待つ4日間の演じ方が違うことに気づきました。そこで、物語には描かれていない4日間について想像して演技をつくることにしました。「えんじてつくって」という合言葉をつくり、もう一度稽古をして、アンコールをしていきました。
子どもは、1日目と2日目について、かたつむりくんが家に帰ってのんびりしてしまい、お手紙を届けることをうっかり忘れる演技をしました。3日目は、ゆっくり進む演技をしました。そして、4日目はがんばって届けに行く演技をしました。その演技を見た仲間は、「『あっ忘れてた』と言ったのが面白かった。いい演技だった」と話しました。また、仲間のチームのかたつむりくんは、舞台の周りを何周も回る演技をしたり、道に迷う演技をしたりしました。かえるくん役になった子どもは、お手紙の内容を明かす演技をした後に、「ここまで言っちゃった」と心の声を聴衆に話す演技をしました。仲間は「心の声を言っていて名シーンだった」と話しました。
子どもは、えんじて日記に次のように書いていました。
「どこのチームのかたつむりがいいかというと、自分のチームだよ。だって、自分はじしんがなかったけど、名シーンしかなかったのと、今日、けいこができなくても、ちゃんとできたのと、自分でもセリフがおもしろくて、わらいそうだからだよ。」
「自分たちのチームのけいこできづいたことがあります。それは、『かえるくん、どうしてきみ、ずっとまどの外を見ているの?』です。教科書を見ないで言うと、どのタイミングで言えばいいのかわかんなくなってしまいました。おそくそのセリフを言うと、かえるくんがセリフを言わないといけません。早すぎると、お話がちがうくなってしまいます。」
「今回の2チームは、かたつむりよりもポストの方がおもしろかったです。なぜかというと、かたつむりはうごきがおもしろかったけど、ポストはうごけないから、セリフはみんなよりもすごく考えているから、おもしろくなったんだと思っています。」
「おてがみのおもしろいところは、かたつむりのあしがおそいことです。ぎもんにおもったことは、おてがみをくれないということは、ともだちがいるのかということです。」