秋の正善寺
10月10日、正善寺にお出かけしました。
この日は、下正善寺の秋祭り。下正善寺の小高い山の中にある熊野神社で行われました。
秋祭りでは、神主さんによる自然の恵みへの感謝が、祝詞(のりと)の形で神様に伝えられました。また、町内の方々が順番に榊を捧げていました。正善寺に住まう人々が神様に自然の恵みを感謝する厳かな祭りに、子どもは真剣な表情で臨んでいました。
秋祭りの後、子どもは境内に出ると、ミツバチの巣箱を見つけました。巣箱は、集落の方の手で春に設置されたもので、翌年の春に蜜を取り出すことになっています。中には、たくさんのミツバチがいました。また、巣箱の外側を見てみると、クマが手をかけた跡がありました。子どもは、ミツバチに好奇の目を向けたり、自然に棲まう生き物の痕跡に驚きの眼差しを向けたりしていました。
秋祭りを終えると、いつも活動しているフィールドに移動して活動しました。子どもは、山の中でこれまでにはなかった物を発見しました。その一つがミョウガです。山中の地面からミョウガの芽がいくつも出ていました。子どもは、地面から出ている芽を見つけては、ミョウガを採りました。採っていくうちに、芽が見つからなくなってきました。すると、子どもは地上に出ているミョウガの葉や茎をたどっていくと、地面の中のミョウガを見つけることができることに気が付き、たくさんのミョウガを採っていました。
山の中では、わずかですが、栗も採ることができました。地面に落ちている栗を見てみると、ほとんどが、イガが開いた空っぽのものでした。正善寺に住んでいる内田さんの話によると、落ちた栗の実は、イノシシが食べたそうです。
ミツバチの巣箱にはクマの存在が、栗にはイノシシの存在がありました。
子どもは、作文シートに次のように書きました。
「昨日、正善寺に行きました。最初に行った熊野神社で行われた秋祭りでは、神様に榊をおくったりしました。このお祭りは年に2回あるそうで、1回目は春に、2回目はこの秋にするそうです。春にするお祭りでは、『いろいろな物が実りますように』という祈り、この秋には『実らせてくれてありがとう』という感謝をするんだそうです。正善寺の森の中に着くと、私は〇〇君と山のしゃめんの方に行って、ミョウガとりをしました。すごくにおいがツーンとしました。〇〇君は、最初、あまり見つけられなかったけど、だんだんコツが分かってきたみたいで、合計18個とりました。ミョウガがふくろいっぱいになってきたので、ふくろを取りに行くと、雨がすごくふってきたので、ダッシュで取りにいきました。帰りの道を歩いていると、排水溝の勢いが速くなっていたり、カエルがいたりしました。これは、雨がふっているから見られる光景だと思います」
「きのうは、雨の日の正善寺に行きました。いつもとちがって、ジャンボタクシーに乗っていきました。今回は、いつものフィールドに行く前に、秋祭りが行われる熊野神社に行きました。どういう祭りかというと、春と秋にやっていて、春は『私たちが食べるものがよく実りますように』という意味で、秋は『よく実りました。ありがとうございます』という意味の祭りです。祈り終わったら、内田さんからハチを見せてもらいました。小と中の間くらいの大きさで、たくさんいました。それにクマがやって来て、ハチミツを食べようとしたあともありました。いつものフィールドに行ったら、雨が降り始めても作業しました。今回は、ブランコがある所に行くのがすべったりするので、きけんです。なので、階だんをつくりました。つくっているときも、すべるので、ちょっとあぶないけど楽しいです。その作業をずっと続けていて、雨が強くなってきたので、集落センターでお弁当を食べました。みんなのお弁当がおいしそうでした」