「見つめて生き物がたり」物語を書く
1学期に引き続き、子どもは、人と生き物が登場する物語を書きました。
子どもは、これまでに読んだ物語を読み返したり、登場させようと思う生き物の特徴を調べたりしながら物語を書いていきました。
また、仲間と話合いながら、ストーリーの構想を固めていく姿もありました。
活動を通して、子どもは、次のような物語を書きました。
題名「スズメのすず」
ある日、女の子は、足にけがをした小さなスズメを家に連れてきました。女の子は、そのスズメのきずを洗ってあげて、包帯をしてあげました。きずの手当てをしている間、スズメはこわがって、動く方の足をばたばた動かして、大さわぎをするのでした。けれども、毎日毎日、きずを洗ったり、薬をつけたりしているうちに、スズメは「この人たちは、悪いことをする人たちではない」と、考えたのでしょうか。おとなしく体を横にして、じっとしているようになりました。
あるとき、女の子が包帯を取りかえていると、スズメは頭を持ち上げて、ふわふわの手の先で、女の子の手をそっと、さわるのでした。それは、「これからお友達になりましょうね」という、スズメの合図だったのでしょうか。このことがあってから、女の子が近づいていくと、スズメは立ち上がって、女の子の顔をじっと見つめるのでした。そして、ものの言えないこのスズメは、女の子にお話でもしたそうに、じっと見つめるのです。女の子は、スズメの目を見ていると、スズメの気持ちが分かるように思えるのです。時には、かわいくてたまらなくなって、スズメにぎゅっと抱きつくこともありました。スズメも女の子の気持ちが分かるのか、温かく、ふわふわした手の先で、女の子の手のあたりをさわったりするのでした。スズメのきずが治るころには、女の子とスズメとは、すっかり仲のよいお友達になってしまいました。女の子はスズメに、「すず」という名前をつけました。
それから女の子は、スズメのすずと、ままごとをしたりして、たくさん遊びました。すずは、美しい体に、金色の夕日をいっぱい受けて、女の子の手をふわふわの手の先で、そっとさわるのでした。