制限をしての学校生活(1日目)
障がいある人の日常生活を知るために、車いすを利用したり、アイマスクをつけたりして1日過ごしてみたいと話す子どもがいました。3日間のうち2日間、車いすの利用、アイマスクの着用、耳栓の着用のどれかを選び、身体、視覚、聴覚に制限をもたせた学校生活を過ごしてみることにしました。
1日目を振り返って、作文シートには次のようなことが書いてありました。
「1日目の今日、私は聴覚を制限しました。正直、聴覚が一番楽だろうなぁ~と、思っていました。でも、実際は、かなり大変でした・・・。色々と大変なんですが、私の中で一番大変なのは、声量の調整です。自分で言っているのに、何を言っているのかが、分からないので大変です」
「今日は、視覚を制限しました。やっぱり人間の情報の80%は視覚なのでかなり大変だと思いました。算数では、図関係で、じょうぎを使おうと思ったけど、めもりが見えませんでした。どの教科でも、何ページを開いてって言われても、そもそもページの文字が見えないから、一枚ずつ開いて数えなければなりませんでした。ホットケーキをつくるときは、材料が白いので、つくえと同化して見えなかったです。焼くときは、いつひっくりかえせばいいか分かりませんでした。外へ出るときは、くつをとるとき、いつもの感覚をたよりにしていました」
「私は、今日、車いす生活をしました。いろいろ慣れないことが多かったです。まず不自由だったことは移動です。どこでも移動が大変でした。教室内は机をどかしても大丈夫なので、そこまでは大変ではなかったです。けど階段はかなり大変でした。友達におんぶしをしてもらって階段をおりました。こわかったし、すこし申しわけなかったです。車いすをはこんでくれる人にも、そう思いました」
「ぼくは、視覚に制限がある人の介助をした。特にたいへんだったのが、算数の拡大図と縮図を書く介助がたいへんだった。理由は、まず点がどこにあるのか、じょうぎのめもりが見えないから一人だとかけないと思った。介助も大変だった。介助をして、障がいがあるのは、すごく不自由だなと思った」
「介助して思ったことは、外だとスロープがあるけど、学校内は階段なので何回も行き来するのが大変なんだなと思ったし、介助ってこんなにすることが多いんだと思いました。介助は、障がいがある人よりは楽だと思っていたけど、そうでもなくて大変だったし、介助をやって老いる人の気持ちも知ることができました」