力を借りることについて
西野谷の家で過ごすことを重ねてきた子どもは、西野谷の家での日々を思い起こしました。仲間と話しながら、西野谷の家でしていることとして、家の中や外の探索、寝転んでくつろぐ、和風を感じる、古民家の中や外で遊ぶ、畑仕事などが挙がりました。そして、西野谷の家で過ごすとき、畑仕事には、それほど多くの時間を使っていないことに気付きました。さらに、「探索とか遊ぶとかは楽しいから、したいって思う」「土木工事(溝掘り)なら、したいと思う。水やりや草取りは、大変でちょっとな…、と思う」などと話し始めました。そこで、教師は「畑仕事と自分のしたいこと、どちらに時間を使いますか」と問いました。子どもは、「それを聞かれるとなあ~…」とつぶやくなど、悩む様子も見せながら考えました。
しばらく経って子どもは、「自分のしたいことに時間を使う。西野谷を楽しみに行ってる」「楽しむのもいいけど、畑仕事する人がいなくなる。そうしたら、野菜が枯れちゃう」「畑の放置はちょっとなって思う。畑のために使ったお金も無駄になっちゃうし、野菜が実らなくなっちゃう」「そもそも畑をしたいと言ったのは、私たち。後になって『自分は好きなことの方やります』って言うのは違うと思う」「楽しむのも大事だし、畑仕事も大事」などと話しました。さらに、子どもは、西野谷の家のご近所に住む丸山さんご夫婦の言葉に出あいました。丸山さんご夫婦は、これまでに家の畑を耕すことや苗のおすそ分けをしてくださった方々です。苗が枯れないよう、暑い日にさりげなく家の畑の水やりをしてくださっていることもあり、大変力を貸してくださいました。
丸山さんご夫婦の言葉や気持ちを知った子どもは、「優しい・・・」「優しすぎる。神だ」「親切心でやってくれてたんだよ」などと感想を口にしていました。そして、教師が「どんな気持ちをもって畑仕事に取り組みますか」と問うと、「大切に育てていきたいし、野菜が実ったら、義貞さんもさそって食べたいなって思う」「畑仕事の時間もきちんと取って世話をしたい」「義貞さんの気持ちを大切にして、畑の仕事をやりたい」と話しました。
子どもは、作文シートに次のように書いていました。
「自分は、西野谷の家の畑に対して、責任を感じています。理由は、畑をやると言ったのはみんなで、この『みんな』の中の「一」が自分だから、畑をやることにさんせい、またはやりたいという意思があったから、畑をやることに文句などありません。だけど、丸山さんが畑に水をやってくれたのや、畑をつくるときにいっしょにやってくれていたのは、一言で言うと、『感謝』という気持ちがあふれています。そして、今でも丸山さんがかかわっているのは、とてもうれしいことだと自分はそう、感じ取っています」
「自分は、西野谷の畑に対して、もっと大事に育てていきたいと思いました。自分のしたいこともそうだけど、丸山さんの話を聞き、丸山さんが親切心で畑を手伝ってくれているのに、私たちは、やらないなんてダメだ!と思ったので、これからは、畑を大事に野菜を育てたいと思いました。自分のやることに、空き時間を作って、その時間だけでも畑のことをやったらいいと私は思いました。今度、古民家に行ったら、畑仕事をしてみようかなと思います!野菜がどうなったかも見てみたいし、古民家に行くのが楽しみです!畑仕事します!」
「自分は、西野谷の家の畑に対して、よしさださんや、5の1の仲間が大切に育てたものだと思います。理由は、まず、よしさださんは、大事なお休みの日に西野谷の家の畑に水をあげて、とても感謝してもしきれないくらい、畑を大切にしてくれました。5の1の仲間は、もちろん私たちが植えた苗に水をあげたり、土寄せしたりして、畑をとても大切に思っているからです。みんなで大切にしてきた畑なので、私はもちろん『みんな』(5の1の仲間)で大切に育てていきたいなと、畑に対してもみんなに対しても思っています」