夏の膳をつくり、あじわって
6月27日(金)、以前より楽しみにしていた「夏の膳」づくりをしました。6月25日(水)までに、これまでに学習したことから、「夏の膳」のコンセプトを、和風、出汁、見た目、季節感の4つに決め、その上でご飯、汁物、惣菜①、惣菜②、甘味それぞれのチームに分かれてメニューを考えました。ご飯チームは「夏野菜を使ってさっぱり食べられるものをつくりたい」という思いから「枝豆ご飯」を、汁物チームはシンプルだけど、出汁の味と食材の彩りを楽しめる「和風出汁オクラのかき玉スープ」をそれぞれ提案しました。惣菜①チームは、夏野菜と出汁のあじわい、食べ応えを追求し「なすとじゃがいものステーキ」、惣菜②チームは干し椎茸の出汁を生かした「冷やしのっぺ」を考えました。甘味チームは、清涼感とさっぱり食べられるところが夏に合うという考えから「わらびもち(黒蜜きなこ、抹茶)」を提案しました。全チームのメニューが、「夏の膳」4つのコンセプトを出せそうだという判断から、メニューこれらの5種に決定し「夏の膳」づくりをスタートさせました。
畑の夏野菜はまだ実り初めであったことから、今回は高田の「二・七の市」で食材を探しました。朝市で並んでいる食材を見て、5月に行ったときの様子を思い出しながら「野菜の種類が、全く変わっているよ。トマトがすごく多い」、「きざわさんが言っていた『桃』もありました。家に買って帰り、あじわってみます」と話し、並ぶ食材から春との違いを感じていました。各チームが食材を買い進める中で、ご飯チームの子が「枝豆をたくさん買ったら、トウモロコシもおまけしてもらいました。だから、枝豆トウモロコシご飯にしようと思います」と話し、急遽手に入ったコーンも使うことに決めました。また、スイカも並び始めていたことから、「先生、スイカも買って帰ってはいけませんか。膳のメニューにはないですが、見たら食べたくなってきた」と思わず口にする子がいました。その場にいた仲間と話し合い、予算が1玉1500円と当初の予算を越えてしまうこと、予定にはなかったことから食べられない人がいたら困ること、この2点から今回は見送ることにしました。全チームが食材を買いそろえたところで学校に戻り、調理を始めました。
ご飯チームは、枝豆のさやから豆を1粒ずつ取り出すことに苦労していました。「熱を通したんだけど、なかなか固くてとれない」と話しながら、チーム全員で取り出しました。当初は枝豆も炊飯器に入れて炊き上げる予定でしたが、時間がかかりそうだということからご飯を先に炊飯し、枝豆を塩茹でして混ぜ合わせることにしました。炊き上がったご飯と混ぜ合わせて食べると、「塩気とご飯が混ざってとてもおいしい」と話していました。汁物チームは和風に出汁をとり、その中に卵とオクラ、ワカメを入れました。全員分をつくるのに卵が5、6個で足りるということに驚きながら、味付けは出汁と塩で素材の味を生かしたシンプルなあじわいに仕上げました。惣菜①チームは、切ったなすに十字型の切れ目を入れていました。見た目の良さと味の染みやすさを両立したいという思いから、1つ1つ丁寧に入れていました。また、ソースは煮干しと昆布のあごだしに、味噌を加えました。食べると「このソースとなす、めちゃくちゃ合う」と話し、出汁のあじわいを生かしたメニューになりました。惣菜②チームは、干し椎茸の戻し汁を活用してのっぺづくりを行いました。「材料を切るのに時間がかかって、あまり冷やすことができませんでした」と話していたように、冷蔵庫に入れた時間が20分ほどであったため、十分に冷えきっていない様子でした。このことから、作り方だけでなく、完成までの作業時間に目を向けてつくりたいという思いを強くしていました。甘味チームは、片栗粉と水をませ合わせながら、わらび餅をつくりました。「急に固くなるよ、いきなりくるよ」と話していた通り、混ぜ合わせている途中で急にとろみが強くなっていきました。そこから、力強く混ぜ合わせたり、素早く冷やしたりしてわらび餅が完成しました。その後、黒蜜ときなこ、抹茶と砂糖を混ぜて味付けをしていきました。2チームでつくったため、64人分と想像以上に多くできていたこと、抹茶が甘味としては少し苦かったことを反省として話していました。全チームのメニューが出そろい、夏の旬の食材と和風出汁を使ったあじわい、夏野菜の色味をつかったさわやかな「夏の膳」になりました。
子どもは、作文シートに次のように書きました。
「今日は、夏の膳をつくりました。まずは、朝市に買い出しにに行きました。オクラがほしかったけれど、あるのか心配でした。『ないかな、あるのかな』と話していると、1つだけ売っているお店がありました。私たちは12本入りを2つ買いました。上越ではオクラはまだなかなか手に入らないそうですが、あってよかったです。学校に戻ったら調理を始めました。岡田先生に聞いたら、卵は5個ぐらいでよいといっていたので驚きました。私は調味料を入れたりするのを主に担当しました。余った卵は、卵焼きにして食べました。膳には、枝豆、コーンのご飯、オクラと卵のスープ、いろいろな野菜が入ったのっぺ、なすとじゃがいもの味噌ソースがけ、抹茶ときなこのわらび餅がのりました。私は、個人的にじゃがいもがすごく美味しかったです。また、次につくるときには『洋』の膳をつくりたいです。」
「今日は、夏の膳をつくり、あじわいました。僕のチームは、枝豆ご飯を作りました。まず朝市に行って、枝豆を4つ買いました。そうしたら、トウモロコシを2つもおまけしてくれたので、枝豆とトウモロコシご飯をつくることに決めました。学校に戻り、トウモロコシと枝豆を調理しました。枝豆を1つ1つむくのがすごく時間がかかって、大変でした。そのため、ご飯とコーンを先に炊飯器に入れて、後で枝豆を混ぜ合わせることにしました。ご飯が炊き上がった後、ゆでた枝豆を混ぜて食べてみると、枝豆とトウモロコシがすごくご飯と合っていて美味しかったです。今度は、秋の膳に挑戦したいです。」
膳をつくりあじわうことを通して、春とは異なる夏の食材のおいしさを感じるとともに、「和風ではなく洋風にしてつくってみたい」、「秋の膳をつくりたい」という思いや願いを湧き上がらせていました。また、「甘味についても知りたい」という意見が多く上がりました。子どもが感じたことや、思いや願いを基に、今後も上越Gozzo膳の活動を進めていきます。