詩人のまど 「とる」という詩を読んで、つくったよ
9月13日、子どもは、川崎洋の「とる」という詩に出あいました。
子どもは、「はっけよい すもうとる」「こんにちは ぼうしとる」「てんどんの でまえとる」と、詩を読み進めるにつれ、「『とる』っていうことばが必ず入っている」「でも、「とる」ということばは全部、意味のちがう『とる』になっている」と、「とる」という詩の「ひみつ」を見つけていきました。また、5音で詩がつくられていることを話す姿もありました。
詩の一部分を教師が隠して示したときには、子どもは、どんなことばが入るか考えました。その中の一つ、「たんじょうび ( )とる」について考えたときには、「よやくとる」「ディナーとる」「としをとる」「手形とる」など、子どもそれぞれの経験や発想を基にした考えがたくさん出ました。(*「手形とる」は、保育園のときに、成長の記念として手に絵の具を付けて手形をとった経験から、思いついたことばだそうです)
詩を読む中で、ことばの面白さを見いだした子どもは、詩「とる」の続きをつくっていきました。
詩をつくる中では、5音のことばになっているか数えて確かめたり、仲間と話し合ったりしながらことばを考える姿がありました。
詩の中の「とる」ということばは、全て意味が違っていることの気付きから、自ら国語辞典を開いて「とる」の用例を調べ、意味の違う「とる」を並べて詩をつくっている子どももいました。子どもは、「できあがり ごはんとる」「かえりみち てんかとる」「おまつりで おんどとる」「うんどうで ビデオとる」「サッカーで てんをとる」「ディズニーで ホテルとる」「マグマきた いのちとる」など、様々なことばを考えながら詩をつくりました。
子どもは、作文シートに次のように書いていました。
「今日、『詩人のまど』でわかったことは、『とる』という詩では、さいごかならず『とる』がついているけど、その『とる』の意味が全てちがうということです。私がつくった『とる』の詩でも、意味がちがいます。『ごはんとる』『てんかとる』『おんどとる』『ビデオとる』全てちがう意味の『とる』でした。川崎洋さんの詩でも、意味のちがう『とる』でした。おもしろかったことは、『とる』のくり返しがあるということです。私の詩は、国語じてんで『とる』を調べて、【例】を見て、それを見本として書きました」
「今日、『詩人のまど』で、『とる』という詩を読んだよ。その詩には、ひみつがあって、例えば、『はっけよい すもうとる』とか、『てんどんの でまえとる』とか、ぜんぶおわりに『とる』がついていて、しかもぜんぶ5音、5音なんだ。あ、あと、とると言っても、ちがういみなんだよ。そのあと、自分で『とる』のつづきを書いたんだけど、それが『けっこんの ケーキとる』とかだよ。今日の『詩人のまど』、すごいすごい楽しかったよ」
「今日、『とる』という詩を読んで、詩の秘密を見つけたよ。自分で考えた詩は、6こだよ。詩をつくるのが難しかったよ。なんでかと言うと、5音にそろえるのが難しかったよ。こんどは、あと50こくらいつくりたいよ。次の国語では、詩をつくりたいよ。次の国語がめちゃくちゃたのしみだよ」
「わかったことは、『とる』には、いっぱいいみがあることです。おもしろかったことは、はばひろくことばが使えるところです。だから、こんなに詩がつくれるんだと思いました。同じことばを使っているので、考えるのはむずかしいです」