本当の金谷山を探す
子どもは、この日のお出かけに向けて、金谷への行き方を話し合ってきました。「路線バスと徒歩で行った方が、アドベンチュになる」「タクシーで行った方が、体力も時間もあるから、金谷で思い切りアドベンチュができる」と、意見し合っていました。そこで今回は、初めて往路でタクシーを利用してみて、その後どうであったかを話し合うことにしました。
金谷へ着き、森田さんとホタルの宿へ向かいました。ホタルの会の方が刈ってくれた草を運ぶためです。森田さんの依頼を受け、子どもは仲間と共に草置き場へと草を運びました。森田さんは、「ホタルの会の活動は48年続いています。ホタルは6月中旬の8時から8時半に一番よく飛びます。地上に出てからは1週間ほどの命です。ホタルを捕まえると人の手の熱で弱ってしまいます。触らないようにしてほしいです」と話してくださいました。子どもは、森田さんのお話をアドベン帳にメモしたり、タブレットで録音したりしました。子どもは、「ホタルが光る時間は、すごく短いんだな」と話していました。
その後、広場に戻り、計画してきたことに取り組みました。子どもは、この日の目的を「初めてテントを張ることと、本当の金谷山を探すこと」と考えていました。仲間と共にテントを張り終えると、牛木さんにお願いして、本当の金谷山を目指すことにしました。子どもはこれまで金谷山公園にそびえる山を何度も登りながら、それが金谷山という名前ではなく、白旗山と呼ぶことを身体を通して知っていました。そして、牛木さんが「白旗山の奥に本当の金谷山がある」と話されたことを聞いていました。そこで、「本当の金谷山に登りたい人~!」と仲間に声を掛けると、10人の仲間が集まり、牛木さんと教師を加え、合計12人で本当の金谷山を目指すことになりました。
白旗山山頂の手前の分岐点から、脇道に入っていきます。人がほとんど歩いていないようで整備されておらず、葉が生い茂っていました。子どもは、隊長が先頭になり、副隊長は最後尾に付き、途中途中で人数確認をしたり、倒木があると声を掛けたりしながら奥へ奥へと進んでいきました。牛木さんは、歩きながら「ここはクロスカントリーの6kmコースだったんだよ。何十年ぶりに来たな」と話されました。約40分ほど歩くと、視界が開け、斜面の上に大きな石柱を見つけました。子どもは、ここが本当の金谷山であると感じ、仲間と共に辿り着けたことに興奮していました。そして、石柱を写真に収め、整備されたもう一つの道を下り、広場へ戻りました。広場では、料理をしながらも、なかなか戻ってこない仲間について、「何度もみんなを叫んで呼んでいたんだよ」と話しました。
子どもは、作文シートに次のように書いていました。
「今回の金谷アドベンチュは、アドベンチュらしいことをしました。それは、本当の金谷山に行ったことです。まず、ホタルの宿のとなりのボブスレーのわき道を歩いてひたすら登ったら半分ぐらいまできたということがかんばんに書いてありましたが、この先の道はすごく長くて、そのかんばんがあった所は、1/5にもみたないところでした。そしたら、次は分かれ道があって、右がわの道に行きました。けど、草がものすごい数はえていて、しかもかぶれる草だったので、軍手をはめて行きました。そしらたら、木がたおれていて、上に飛びのってしんちょうに行きました。その先は、少しひらけた場所だったので、そこで水とうを飲んで、休けいしました。かと思いきや、まだ草は続いていて、とてもたいへんでしたが、なんとかきりぬけました。そしたら、目の前にさるが丘みたいのがあって、そこをみんなで登りました。そしたら、なんだかおはかみたいなのが立っていて、そこがたぶん金谷山のちょう上なんだと思いました。そこで、みんなできねん写真をとりました。たぶん登山なんいどは1から10で言うと、8ぐらいだと思いました。ですが、これで終わりではありません、おりるのもあるのです。下山する時はちがうルートで行きました。その道は人工的に作られた黒い階だんがありました。また、コンクリートの階だんがあって、そこのを上ったら左にフェンスがあって、そのすきまから見たらここは高速道路らしく、そこのトンネルの上を歩いていたようです。そこをこえたら、くわの実があって、それを食べました。(中略)今回の金谷アドベンチュもいいぼうけんになったと思います。」
「森田さんのお話を聞きながら、ホタルの宿に行きました。草をあつめたりしました。たいへんだったけど、〇〇ちゃんが、しっぽが切れているカナヘビを見つけて、私がよく見て見たら…!なんと、おなかに赤ちゃんがいました。ビックリでした。このままだとあぶないかもしれないので、森田さんに聞いたら『あんまりよくないかもしれない。』と言ってくれました。ですが、牛木さんは、『たまごをうむところが見たいのならば、本気でめんどうを見たらいいんじゃないか』と言ってくれましたが、私は、すごくまよいました。あまりはんたいする人はいませんでしたが、今日一日だけでも!と思い、金ブル(テントの名前)の中で、いっしょに遊びました。でも、この時、私は、思ったのです。いっしょに帰ろうと!!よし、ぜったいいっしょに帰ると決心しました。(中略)カナチョロさんは、せきにんをとって、ちゃんとお世話します!」
「次に、〇〇ちゃんと〇〇ちゃんでたけのこ取りに行きました。一応きょかを取ろうとおもって旅館にきいてみらたら、…さっきの通りすがりのおじさんでした。本当にびっくり!しました。で、OK!をもらったのでたけのこを取りにいきました!それで行った先からたけのこを発見!それで、1つ取れました。あと細いたけのこも取りました。そしたら、上からさっきの旅館のおじさんがもう1つたけのこを取ってくれたので、ちゃんとありがとうございますって言いました。あとそのおじさんが、『先生に、流しそうめんしたいって言ってごらん。おれも手伝うから』って言ってくれて、わー!ってなりました。やさしい人だなあと思いました。」