実践道徳「ヒナの命について」
6月1日に誕生したヒナが、ヘビに食べられてしまうという、とても悲しい出来事がありました。
子どもは、丸池にかけた巣箱の近くにヒナのお墓をつくり、教室でヒナの命について感じたり考えたりしていることを、仲間と話しました。
「胸がズキズキ、チクチク、とても痛い」「せっかく生まれてきたけど、人生が短くて可愛そう」と話す子ども。
一方で、「でもさ、ヘビだって生きるために食べたんだから、しょうがないでしょ」「それが自然のルールだよ」「自然の中では、強いものは弱いものを食べて生きている」と、ヒナがヘビに食べられてしまったことを、仕方ないことだと話す子どももいました。
「ヒナがヘビに食べられてしまったことは、仕方ないことですか」と聞くと、「仕方なくない」とヘビに対して強く憤りを表す子ども、「仕方ない」と自然界の厳しさについて話す子ども、「真ん中の気持ちです」と迷いながらヒナを守れなかった悔しさを語る子ども、仕方ないと言いながらも、ヘビを退治するための木の槍をつくり始める子どもなど、様々に感じたことや考えたことを話しました。
子どもは作文シートに、「ヒナが食べられてしまうことは、しかたなくないと思います。理由は、ヒナも、がんばって生きているのに食べられてしまうのが、かわいそうだし、子どもが亡くなったら、親鳥までかなしみます。せいいっぱい、いっしょうけんめい育てたのに、ざんねんながら亡くなった、と考えると、人間とほぼ同じで、そのかなしみは、人間も同じです。自分が育てた子が亡くなったらだれもがかなしむからです。なので、ぜんぶはしないけど、少しは手伝ってあげないと、どんどん亡くなっていくと思います。せめてすばこを作らないと、今、すずめの数がへっていると話をききました。なので、私はヒナを保ごしたいです。ですが、親鳥とくらす、人生もあります。でも、亡くなったら、もうおわりだから保ごしたいです」、「私は、しかたないと思います。食べられることは、人でいったらないかもしれません。でも、もっと小さいヒナにとっては、そんなことあたりまえだと思うのです。理由は、みんな食べ物がいります。生きることは、体力がいるからです。なので、おなかをみたすためにえさが必要なのです。みんなは生きるためにしているのです。『命をいただきます』『命をいただきました』というように・・・でも、食べられないようにたいさくすれば、えさを食べる動物たちにとっては、えさがなくなってしまいます。みんなが楽しくすごせる世界はないのでしょうか」と書いていました。