最後の物語を書く
この日、最後の物語づくりをしました。物語をつくる前に『おおきな木』(シルヴァスタイン作)を語り聞き、物語の質問や面白さを出し合いました。
「なぜ、おじいちゃんになっても『少年』と言ってるの?」「木の声なんだよ。木から見たら少年なんだよ」「『木はしあわせでした。』とあるけど、本当に幸せなのかな。最後は切株になっちゃった。」「少年が幸せになったから、木も幸せなんだよ」「切り株だから、まだ生きているよ。土の中に根があるもん」。
絵が、モノトーンで単調な筆致のため、子どもは絵の細部まで見ようとしていました。「木がいつも斜めだね」「枝が伸びて手みたいになってる」「木の下に二人の足が見える。誰だろう」「仲のいい友達かな」。子どもが出した質問を仲間と解決し合いながら、お話の面白さを味わいました。
そして、最後の物語つくりに取り掛かりました。まず、どんなお話にするか、近くの席の仲間と確かめ合いました。子どもはこれから書くお話を笑顔で語り合っていました。物語を書き始めると、教室はだんだんと静かになっていきました。子どもがつくった物語の題名には次のようなものがありました。
「はじめてのやぎ」
「やぎがたロボット」
「世界の生物最強王決定戦」
「たんていマックスとたんていスマイル」
「やぎが、はじめてたべたドーナッツのあじ」
「ブラウンがなくなって 生きかえって がしがおきて いろんないえにひろがって みんなは天になった」
今回も物語の予約がたくさん入りました。最終週に物語を語り、聞き合っていきます。
子どもは作文シートに次のように書いていました。
「今日がさいごのおはなしポケットです。とてもおもしろいおはなしをつくりました。4まいがんばってきました。わたしは、よみます。さいごなのでよみます。たのしみです。でも、わたしのものがたりがともておもしろいから、ドキドキします。だい名は、よむときのおたのしみです。」
「今日さいごのものがたりをかきました。たのしかったです。だい名は『たんていマックスとたんていスマイル』。今日がものがたりをかくのがさいごだったから、小川先生とか1ばんなかよしのともだちを入れたよ。ぜったいよやくしたいよ。1ばんさいごによむか、1ばんさいしょによむよ。今日がものがたりをかくのがさいごだからかなしいよ。」
「今日さいごのものがたりをかいたよ。おれのだい名は、まえとおんなじで、ながいだい名だよ。よむのたのしみだな。でも、みんなのよみ終わったら、もう、ものがたりかけないのやだなー。かなしいなー。もっとものがたりよんだり、かいたりし、しつもんしたり、いいところとかやったりしたかったな。」