「会心きざわ」で季節の膳をあじわう
「夏の膳」づくりに向けて、出汁のあじわいを知った子どもは、「見た目からおいしくするために、膳料理を見てもう一度学びたいです」と話し、地産地消の店「会心きざわ」で季節の膳をあじわいました。 初めに、料理に使う食材、調達の仕方の説明を受けました。きざわさんの話から、天ぷらで出す魚は能生でとれたメギスや柿崎のヒラメやコチ、お米はすべて妙高産のものを使うこと、毎朝市場へ行って新鮮な食材を手に入れることから一日が始まることを知りました。この話を聞き、「やっぱり、上越や新潟のものにこだわっているな」、「野菜も新鮮なうちに仕入れるからおいしいのか」と話していました。
その後、膳料理が運ばれてきました。今回は3種類あり、「天ぷら膳」、「日替わり膳」、「海鮮膳」の中から食べたいものを選びました。「天ぷら膳」では、旬の野菜や新鮮なメギス、甘エビのうまみを感じていました。「日替わり膳」は、季節の野菜の揚げ浸しや焼き魚、「海鮮膳」は、柿崎や能生漁港で水揚げされた魚の刺身をあじわいました。どの膳にも、お米とお味噌汁、弥彦産牛乳を使った黒ごまプリンがつき、食べることを通して、お米の甘みや味噌汁の出汁を使ったあじわい、甘味の甘すぎない素材のあじわいを感じていました。「出汁を使うと、やっぱりおいしくなるんだね」、「甘味も調べてみたいな」と話すと同時に、「春と食材が全然違いました。秋や冬はどうなんだろう」という疑問を話していました。
最後に、きざわさんに上越の季節の食材や、膳の彩りについて聞き取りを行ないました。季節の食材については、「野菜や果物の種類は季節によりがらりと変わる。夏は、例えば、なすや桃といった野菜や果物が多く出るため、探してみてほしい。冬は根菜類がメインになるが、難しい。」という話を、彩りについては「季節の野菜を使うだけでなく、包丁で切れ目を入れると、その味わいや見た目がよくなる。特に、今回のなすは、そのようにして見た目をよくしている」という話をそれぞれ聞きました。これらの話を聞き、「果物は甘味に使えるかも知れない」、「冬は、食材が出てこなくなるかもしれない。『冬の膳』をつくるのなら、早めに計画を立てないといけない」と話し、この先の活動への思いを強くしていました。
子どもは、作文シートに次のように書きました。
「今日は、歩いてバスに乗って『会心きざわ』に行きました。最初は、膳料理の説明をしてもらいました。野菜などは朝の6時に市場に行って、その野菜を使って料理をしているそうです。やっぱり一番新鮮なものを使って料理をすると、おいしくなるそうです。私は天ぷら膳でした。エビが家で食べているものと味が違うと思い、『これも新鮮だからかな?』と思いました。デザートの黒ごまプリンは、私には少し苦かったです。ですが、デザートは少し苦い方が、膳には合っているなと私は思いました。」
「私は、海鮮の膳を食べました。ホタテ、真鯛、鯵、甘エビ、いかは能生でとれたもの、ヒラメ、コチ、ワラサは柿崎でとれたものをつかっているそうです。私は、ホタテがやわらかく甘くておいしかったです。刺身とひつまぶしを食べて、すごくおなかがいっぱいになりました。今回のことも生かせる、『夏の膳』づくりがとても楽しみになりました。」