もらって つないで
実践体育科では、「もらって つないで」という活動をしています。仲間と様々な場や形式でリレーをする活動です。
活動のはじめの場は体育館です。壁をタッチしたら折り返して戻り、待っている仲間にハイタッチをすることで交代するという折り返し形式のリレーをしました。
子どもは、仲間とハイタッチで交代することや全力で走ること、相手チームと競うことを楽しみました。そして、次に行ったのは、周回系のリレーです。チームごとに周回するコースが異なるため(走る距離は同じ)、アンカーの仲間がゴールする直前まで順位が分かりません。子どもは、常に曲がりながら走ることやどちらのチームが勝っているのか、自チームと相手チームを見比べることを楽しみました。
しかし、周回系のリレーを行っていると、ハイタッチでの交代ではなく、リングバトンをもらって、わたすことで走る交代していくため、バトンを落としてしまうチームがありました。そこで、「バトンを落とさないもらい方ってあるかな」と教師から尋ねられると、子どもは「手をのばして走ってくる人を見ながら待つといいよ」「手は伸ばすけど、(自分が)すぐ走れるように足は走る方に向けてる」などと話しました。子どもは、ものをつなぐうえでのもらい方やもらった後の自分のことを考えながら話しました。
体育館での周回リレーを続けていくと、外でもリレーをしたいと子どもが話しました。そこで、子どもは、ポプラオリンピックという学校行事があることやリレー種目があることを教師から聞き、グラウンドでリレーをしていくことにしました。
子どもは、グラウンドに出てからも体育館での周回リレーで試したきた「バトンのもらい方」を自然に試していました。
グラウンドでのリレーを始めてから、2回目のことです。ある子どもがはじめに立っていた位置から進行方向とは逆側に(もどるようにして)動き、手前から仲間のバトンを受け取り、走りました。そのことを全体の場で話題にすると、子どもは「なんでうしろにさがるの?」「そのほうがはやくバトンをもらえるかも」「でも、待つ場所を変えるってずるい」と話しました。そこで、リレーのバトンをもらい、わたすことのできる場所(範囲)があることを子どもに伝えました。(いわゆるテークオーバーゾーンです)子どもは、「この中だったら、どこでももらってもいいの?」と言いながら、自分がどこでもらうのかを考えました。
その後、子どもは線のギリギリまで下がって、仲間からバトンをすぐに受け取ろうとしたり、できるだけ前に出て仲間にたくさん走ってもらうとしたりしました。子どもは、自分なりに自分が待つ場所を決めたり、レースの状況に応じて急に変えたりしながらリレーを楽しんでいます。