創造活動「古里風土記」
6年2組の創造活動は「古里風土記」です。
上越地域の風土を見つめ、自身の風土記をつくっていきます。
子どもは、自身の『古里風土記』にしていく1冊の冊子を受け取り、活動名と自分の名前を書きました。
その『古里風土記』をもち、自分の学年の名前にもなっている桜をみに、高田城址公園に向かいました。
翌日は、高田城址公園の桜の保全活動に取り組んでいるエコ・グリーンの青木ユキ子さんをお招きし、高田城址公園の桜の歴史や現状、保全活動の実際についてお聞きしました。
続けてその次の日には、青木さん、エコ・グリーンの山田さんと共に、高田城址公園を訪れ、桜をみて回りました。
桜の種類や一本一本の桜の健康状態の見分け方、それぞれの桜が置かれている環境と配慮すべきことなどについて、桜の木に立ち止まりながらお話を聞き、改めて、花をよくみたり、木の表皮の様子や根の周りなどをみたりしました。
子どもは作文シートに
「高田城址公園の桜を青木さん、山田さんとみてまわりました。実際にみながら説明を聞くと、とても分かりやすく伝わってきました。ぼくは、桜をもっと大切にしていこうと思いました。そして、桜を見る時の楽しさがもっとあふれた感じがします。ほうたいを巻いたり、枝を切られたりした桜は、これからもがんばって生きてほしいです。花が最も濃いのは?一番長い桜は何ですか?などといろいろなことが気になるようになりました。また、春以外にも桜をかんさつしたいなどとも思いました。桜に手を当てて『がんばって』みたいなことも伝えました。今日、桜を見に行ったときは、このまえ見た時よりも、いちだんと桜をみるのが楽しく感じました。これからも桜を大切にしていきたいです」
「桜にとってお花見はどういうものなのか、ということから考え始めました。お花見、たくさんの屋台が出ています。昨日、桜の根は大体、細い枝のところまでのびていると聞きました。つまり、屋台は、桜の根の上にあるということです。桜は浅根なので、ふんでほしくないとも聞いていたので、少しかわいそうな気がしました。また、人も桜のまわりに集まりますから、人も桜の足をふんでいることになります。そして、ゴミが落ちたり、車が通るはいきガスも桜にとって良くないことだと思いました。ソメイヨシノは花がきれいですが体がよわいので手間がかかりますが、ジンダイアケボノは体も強いし、花もソメイヨシノに似ているようで、そちらも植えているそうです。しかも、ソメイヨシノも大切にそだてるのがすごいなと思いました。シダレザクラもとってもきれいでしたが、弱い木もありました。ソメイヨシノで、花が5個出ているのを私も見つけられました。道に植わっている桜は、コモを巻いてあるのもありました。一つ一つの桜を大切にするのも大切なことだなと思いました。どうぶき芽が出ている木やひこばえが成長している木もありました。花びらはおし花にしてとっておきます」
「いろいろなところを見て、元気な桜の木もあったけど、木の中に空どうがあったり、日かげになっていたりした良い環境とはいえないところにある桜が多かったです。それでも、幹から葉を出して少しでも栄養をとろうとしていたり、桜も必死で生きているんだなと思いました。最後、青木さんに質問するとき、夜桜用のライトアップの機械は桜にえいきょうを与えないのかという質問で、青木さんによると本心は『夜なんだから休ませてほしい』とのことでした。帰りに、青木さんが売店が桜のことを考えているか見てみてと言っていたので観察してみると、1本の桜の木を二つの売店がはさんでいたりしました。『桜のことを考えると、この季節が一番きらい』と言っていた理由が分かりました。店や人に根をふまれたり、夜も休ませてもらえないのは桜にとっては良い環境とは言えないからです。桜にとってよくするためには、根をふまれないような位置に店をたてるとかだと思うけど、それだと店の量がいっきにへりそうなので人があまり楽しめなくなりそうなのでむずかしいです」
と書きました。
1年を通して、桜の保全活動に取り組んでいきたいと思いをもっている子どもがいます。
また、上越地域の風土とかかわっていく活動を通して、「山、海、川すべてで活動していきたい」「山で泊まりたい」「風土を生かした発酵食品をつくることに取り組んでみたい」「古いものや伝統のある場所、もので活動したい」と思いを膨らませています。
様々なものやこと、人とかかわりながら、上越の風土について見つめていきます。