10月4日 旧今井染物屋を訪れて町家や雁木を知る
10月4日、子どもは旧今井染物屋に向かいました。前回、町家交流館高田小町に行ったときに、落とし式と造り込み式の2種類の雁木の様式を知りました。そして、造り込み式の雁木は日本一の長さを誇る上越でも見られなくなっている一方で、旧今井染物屋で見られることから、行ってみることにしました。
子どもは旧今井染物屋で飯田さんから町家や雁木のことについて話を聞きました。町家の特徴である、明かりを採り入れる天窓や高窓のこと、長い土間が土でできていて苔や草が生えることがあること、今年1月の大きな地震でも建物が壊れることがなかったこと、旧今井染物屋の間取りなどを聞きました。そして、雁木については、造り込み式の雁木をつくることやつくった後の維持に、法や資金の面で難しさがあることを聞きました。
子どもはその後、実際に雁木の上の部分にあたる部屋に入ってみました。「この下が雁木だと思うと怖い」「でも、これがあることで、雪でも歩きやすくなるわけだよね」「造り込み式だと、家の空間を無駄にしてないけど、雁木の耐久性っていうか、しっかりつくらないと壊れてしまいそうだよね」「外の正面から見ると、落とし式の方がすっきりしていて好きかなって思ったけど、入ってみると隠れ家みたいで好きだな」などと話しました。
子どもは振り返りに「今日、旧今井染物屋に行って感じたことは最も古い町家なんだなということです。旧今井染物屋は上越市文化財に指定されています。なんと建てられてから170年だそうです。曲がっていることで強い木など昔の人の工夫で有名な1月1日の地震では、かさ1本が転がっているだけですんだそうです。私の家ではいろいろと大変だったのに・・・なんて思ってしまいました。それにしても170年もたっているのにすごい力です。170年も変わらない畳、170年ずっと踏み続けられている土間があったので教室町家は、本物の町家には、まだ遠いな・・・と思っていまいます。バテンレースを織り込むための機械を見ました。途中で毛玉ができてそれをずっと見ていました。つぼの中に入るまで訳30分ほどかかりました。とてもゆっくり、ゆっくり進んでいきました。今は自動ですが、昔は手動だったのでもっとゆっくりと作られていたんだなと思ってしまいました。地震の工夫などから昔の人は今の人よりかしこかったのではと思いました」「今日、旧今井染物屋に行って、感じたことは虫みたいです。もちろんほめ言葉です。私にとって虫という生き物の音は、いやしを与えてくれます。夜にお庭に出ると、虫の鳴き声が聞こえてきます。すると夜の暗い空に色がつけられるようで、いやされるんです。旧今井染物屋も、そういうふうに感じます。音から感じる物ではないんですが、すわったりした時に色がつくような温かみを感じました。ここでたった一人で寝たらどれだけ温かいんだろうと。私は高田小町よりもここ、旧今井染物屋から見る朝の方が好きそうだと思いました。昼間は同じくらいです。それに飯田さんがはなしてくれた内容も良かったです。税金のことや昔どんな人が住んでいたなど、前回は聞いていない話がほとんどでした。一番興味をもったのはバテンレースでした。なんと、バテンレースは明治時代にドイツから入ってきて、今つくっている会社は一つしかないとのことでした。そんなに昔にドイツから入ってきたこともびっくりしましたが、今バテンレースをすくっている会社が一つしかないということが、とても驚きました。あと、階段ではなくはしごで二階に上がっていることの理由も初めて知りました。その理由は夜、子どもが逃げてしまわないためにこうしているんです。私は、確かにそうだと思いました。子どもはいつ、何をするか予測できないものなので良い考えだと思いました。たくさんの話を聞かせてくださって、とても楽しかったです」と書いてありました。